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廃炉環境国際共同研究センター; 京都大学*
JAEA-Review 2023-028, 54 Pages, 2024/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「3次元線量拡散予測法の確立と線透過率差を利用した構造体内調査法の開発」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。我々は核ガンマ線の方向を完全に決定、光学カメラと同じ全単射によるガンマ線画像(線形画像)が測定できる電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)を実現、今年、世界初の銀河拡散ガンマ線の直接観測に成功した。この特徴を生かし平成30年度英知事業に採択された「ガンマ線画像スペクトル分光法による高放射線場環境の画像化による定量的放射能分布解析法」(以下、前研究)では、1F免振棟から炉を含む1km四方を一度に撮像、約100か所のスペクトル測定を一度に実現、空からはスカイシャイン、炉からは662keVガンマ線が明瞭に測定でき、見晴台50Sv/hでも無遮蔽で撮像に成功した。令和3年度には京都大学複合原子力科学研究所の原子炉建屋内の3次元線量測定を実施し、動作中の原子炉からのガンマ線の3次元撮像に成功した。さらに炉壁から放出された微量なArのガンマ線(1290keV)を動画で捉え、放射性物質拡散のガンマ線画像モニタリングが可能であることを実証した。本研究は、前研究の成果を基にサブmSv/h環境での3次元汚染物質飛散検知・予測システムの1F内で使用可能な実用化を行う。またETCCのMeV以上のガンマ線撮像能力を生かし透過性の高いCsガンマ線を利用した炉建屋内の3次元透視Cs分布測定法を開発する。
廃炉国際共同研究センター; 京都大学*
JAEA-Review 2019-036, 65 Pages, 2020/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「ガンマ線画像スペクトル分光法による高放射線場環境の画像化による定量的放射能分布解析法」について取りまとめたものである。電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)は、前段にガス増幅型位置検出器を用いて電子の3次元飛跡を測定することにより、従来型のコンプトンカメラの分解能を大幅に向上する技術として、これまで宇宙観測用として開発し医療への応用も進めて来た。本研究では、医療用に開発したETCCをもとに、現場での操作性を重視した軽ETCCを試作し、フィールド試験により実用性を評価する。
初川 雄一*; 早川 岳人*; 塚田 和明; 橋本 和幸*; 佐藤 哲也; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 谷森 達*; 園田 真也*; 株木 重人*; et al.
PLOS ONE (Internet), 13(12), p.e0208909_1 - e0208909_12, 2018/12
被引用回数:3 パーセンタイル:29.78(Multidisciplinary Sciences)電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)を用いて放射性同位元素Tcの画像撮像を実施した。Tcは、204, 582, 835keVの3本の線を放出し、濃縮同位体Moを用いてMo(p,n)Tc反応で合成される。濃縮Mo同位体三酸化物の再利用について実験を実施し、再生率7090%を達成した。画像は3本の線それぞれを用いて解析し取得した。その結果、線エネルギーが高いほど空間分解能が向上することが判り、Tcのような高エネルギー線放出核を利用することで、ETCCが人体の深部の組織や器官の医療画像撮像に有効であることを示唆する結果を得た。